ジダンの「頭突き像」、1カ月足らずで撤去 カタール
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【11月2日 AFP】カタールの博物館・美術館を管理運営するカタール・ミュージアムズ・オーソリティー(Qatar Museums Authority、QMA)は、10月上旬に設置したばかりのサッカーのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)元選手の「頭突き像」を、1か月も経たずして前週撤去した。ドーハニュース(Doha News)電子版などが伝えた。
「頭突き」を意味する「クーデテット(Coup de Tete)」と名付けられた高さ5メートルのこの銅像は、ジダン氏がフランス代表だった2006年のサッカーW杯ドイツ大会(2006 World Cup)決勝で、イタリア代表のマルコ・マテラッツィ(Marco Materazzi)選手に頭突きした様子を再現したもの。アルジェリア生まれのフランス人芸術家、アデル・アブデセメド(Adel Abdessemed)氏が制作し当初、仏パリの近代美術館「ポンピドー・センター(Pompidou Centre)」前に展示され、物議を醸した。
この作品をQMAが購入し、10月3日に多くの人たちが憩うドーハ(Doha)のコルニーシュ(Corniche)通りに設置したが、偶像崇拝を禁じるイスラムの教義に甚だ反するとして、カタールの一部保守派から激しい怒りと抗議の声が上がり、前週28日に撤去された。
イスラム法では偶像化を避けるために人間や動物の像を禁じている。公共の場での像の設置を容認するイスラム教国も一部あるが、保守的な湾岸諸国は大半がこれを認めていない。
ドーハニュースが伝えたQMAのキンバリー・フレンチ(Kimberly French)最高マーケティング責任者(CMO)の話によると、この像は今後、ドーハにあるマトハフ・アラブ近代美術館(Arab Museum of Modern Art)で来年1月4日まで開催されているアブデセメド氏の素描や絵画、彫刻、映像などの展覧会「L'age d'or(黄金時代)」に合流する。(c)AFP