ポール・ワトソン容疑者が米国入り、捕鯨妨害めぐり出廷へ
このニュースをシェア
【11月1日 AFP】国際刑事警察機構(ICPO、インターポール、Interpol)から国際手配を受けている反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)前代表のポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(62)は10月31日、1年3か月にわたる海上での生活を終えて10月28日に米国に入国していたことを明らかにした。
ワトソン容疑者は、2002年に中米グアテマラ沖でフカヒレ目的の違法サメ漁についてのドキュメンタリー映画を撮影中にコスタリカ船舶を妨害した容疑で、2012年5月にドイツ・フランクフルト(Frankfurt)で逮捕されたが、保釈金の支払いと1日に2回警察に出頭することを条件に保釈されていた。しかし昨年7月22日に保釈条件を破ってドイツから出国して逃亡したため、インターポールは昨年8月にワトソン容疑者を国際手配していた。ワトソン容疑者は逃亡中に南極海で日本の調査捕鯨の妨害にも参加していた。
インターポールはコスタリカの要請に基づきカナダ人のワトソン容疑者に対して逃走容疑者の身柄拘束を求める「国際逮捕手配書(赤手配書)」を出していたが、同容疑者は交流サイトのフェイスブック(Facebook)で発表した声明で、この手配書は取り下げられたと述べている。
ワトソン容疑者は先月28日、米ロサンゼルス(Los Angeles)に到着し、日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research)などが起こした裁判で闘うために米シアトル(Seattle)に向かっているという。シー・シェパードのフランス支部長はAFPに対し、ワトソン容疑者は、米国に入国した際に身柄を拘束されることはなかったと明かした。
日本鯨類研究所は2011年12月、共同船舶(Kyodo Senpaku)とともに、シー・シェパードとワトソン容疑者を相手取って調査捕鯨船の乗組員や船に危害を与えかねない妨害活動の差し止めを求める訴えをシアトルの連邦地裁に起こしていた。ワトソン容疑者は、日本の要請を受けてICPOが出した赤手配書に抵抗すると表明するとともに、来週始まる審理でシー・シェパードと自分自身を弁護するために上陸することを決めたと明かした。(c)AFP