露G20参加首脳への贈り物に「スパイツール」疑惑?
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【10月31日 AFP】欧州委員会(European Commission)は30日、先月ロシアのサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で開催された主要20か国・地域(G20)首脳会議で主催国ロシアから各国代表に贈られた携帯電話の充電器やUSBメモリーについて、保安上の危険がないかどうか検査していることを明らかにした。
米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が流出させた機密情報によって明るみに出た、米国が同盟国の通信を傍受していたとされる疑惑は日を追って拡大し、今や制御不能なほどの大スキャンダルと化している。米政府と欧州連合(EU)加盟国との非難の応酬が激化する一方、メディアは毎日のように新たな「スパイ疑惑」を報じている。
こうした中、G20でロシア政府が各国代表に贈った電子機器を使用すると機密情報が流出するのではないかとの報道が登場。この記事について聞かれた欧州委員会のフレデリック・ヴァンサン(Frederic Vincent)報道官は、当局がロシアの「贈り物」の件について調査していることを認めた。
「現在までのところ、ハードとソフトの分析では深刻なセキュリティー上の懸念は見つかっていない」とヴァンサン報道官は述べた上で、「ただし贈り物が100%安全だと結論付けるのは、まだ早過ぎる」と指摘した。
一連のスパイ疑惑をめぐってはこれまでロシアが直接関与したとの話は出ていない。ドミトリ・ペスコフ(Dmitri Peskov)大統領報道官はロシア通信(RIA Novosti)に、「米政府と欧州の間の問題を、実在しないちょっとした問題にすり替えて人々の意識をそらそうとする試みにすぎない」と、疑惑の贈り物の報道について否定した。(c)AFP