豪北方沖に新種のウスイロイルカ
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【10月31日 AFP】米自然保護団体「野生動物保護協会(Wildlife Conservation Society)」が主導する国際研究チームは30日、オーストラリア北方沖に生息するウスイロイルカが新種であることを突き止めたと発表した。約200の標本と大西洋、インド洋、インド太平洋に生息する生きたイルカから採取した組織サンプルの遺伝子マッピングなどを行った結果、判明したという。
同チームの論文が掲載された科学誌「Molecular Ecology(分子生態学)」の最新号の中で、主著者のマーティン・メンデス(Martin Mendez)氏は「形態学と遺伝学を組み合わせた分析結果から、(オーストラリア北方沖には)まだ名前のついていない新種を含めて少なくとも4種のイルカ属が生息している確証を得た」と述べている。
研究チームに参加した豪フリンダース大学(Flinders University)の生物学者、ギド・パラ(Guido Parra)氏によれば、オーストラリア沖のウスイロイルカは同属のイルカとはかけ離れた特徴があると考えられていたが、この仮説を証明する十分な証拠はこれまで得られなかった。
パラ氏は、今回の調査の特筆すべき点として、「これまでの研究は、純粋な遺伝子学か伝統的な分類学、いずれかの観点だけに基づいたもので、得られたデータは限定的なものだった。今回の調査では、この2つを融合させ、さらに対象をすべてのイルカ属に広げた」と説明した。さらに「まったく新しい種であることを発見して、とても驚いたが、もちろん喜びも大きい」と述べた。
ウスイロイルカの生息海域はオーストラリア沿岸沖からアフリカまでと幅広い。
次の段階は今回の発見を文書化し、新種の生物の公式学名を審議する「動物命名法国際審議会(International Commission on Zoological Nomenclatur)」に提出することだ。
パラ氏は、新種のウスイロイルカに付けられる学名の候補について、現段階では明らかにできないとした上で、オーストラリアに関連した名前であってほしいと付け加えた。(c)AFP/Amy COOPES