パレスチナ自治政府、イスラエルの入植地建設を批判
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【10月31日 AFP】イスラエル政府が30日、パレスチナ人受刑者26人を釈放した数時間後に東エルサレム(East Jerusalem)で新たな入植住宅1500戸の建設を承認すると発表したことについて、パレスチナ自治政府は同日、中東和平交渉を決裂させようとしているとしてイスラエルを批判した。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長の報道官、ナビル・アブ・ルデイナ(Nabil Abu Rudeina)氏はイスラエル政府の決定について、「和平プロセスを台無しにするとともに、国際社会にイスラエルは国際法を尊重しない国だというメッセージを送る行動だ」と述べた。
パレスチナ人居住地である同地区に入植住宅を新設する計画は、イスラエル政府が受刑者21人をパレスチナ自治区のヨルダン川西岸(West Bank)に、5人をガザ地区(Gaza Strip)に帰すため釈放した直後にイスラエルのメディアによって報じられた。
その後イスラエル政府高官はAFPの取材に対し、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とギドン・サール(Gideon Saar)内相は、「エルサレムでの4つの建設計画にすでに同意していた」と明らかにした。
今回の一連の動きは、今年8月13日の出来事を再現したようにみえる。イスラエル政府はこの時にも、まずパレスチナ人受刑者26人を釈放し、東エルサレムを中心に2000戸以上の入植住宅の建設計画を発表していた。
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は、欧米の支援を受けるアッバス議長のパレスチナ自治政府(Palestinian Authority)の姿勢がイスラエルの入植活動を加速させたとして、自治政府に和平交渉の中止を求めている。イスラエルの主要な同盟国である米国はこれまで同様、入植に反対する考えを示した。国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、受刑者の釈放を歓迎した一方、入植住宅の建設に反対する考えを示した。(c)AFP/Steve Weizman