【10月31日 AFP】国連人口基金(UNFPA)は30日、「世界人口白書(State of the World Population)」2013年版を発表し、社会の認識を変えない限り少女の出産に伴う死亡と困難は解決されないと指摘した。

「Motherhood in Childhood (子供時代の母性)」と題された今年の世界人口白書によると、発展途上国では毎年約730万人の少女が18歳未満で出産しており、サハラ以南のアフリカ数か国と南アジアがその大半を占めている。バングラデシュ、チャド、ギニア、マリ、モザンビーク、ニジェールでは女子の10人に1人が15歳未満で出産しているという。

 同白書によると、妊娠と出産に伴う合併症で死亡する10歳から19歳の女子は毎年7万人に上っていると推定され、貧困、不十分な教育、避妊に関する助言の欠如や未成年者の結婚の慣習などがその原因とされている。10代の出産の9割は、正式な結婚による。

 ロンドン(London)での同白書の発表に先立ち、UNFPAのババトゥンデ・オショティメイン(Babatunde Osotimehin)事務局長は、「通常、社会では妊娠した少女だけが非難されることがあまりにも多いが、現実には思春期の妊娠は意図的な選択の結果ではなく、むしろ本人の選択ができない状況での結果となっている」と述べた。

 15歳になる前に最初の子どもを出産する少女は、南アジアで290万人、サハラ以南のアフリカでは180万人、中南米およびカリブ海地域では50万人となっている。報告書によると、長引く閉塞性分娩に起因する妊婦の死亡や産科瘻孔(ろうこう)の危険が極めて高くなる。

 UNFPAは、少女に学校教育を継続させること、性的健康について教えること、子どもの結婚をやめさせること、性的役割分担と平等についての意識を変え、若い母親により良い支援を行うことを求めている。(c)AFP/Alice RITCHIE