【10月30日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)にメジャーリーグサッカー(MLS)の新チームの設立を目指して交渉を重ねていると、交渉の現場に近い筋が29日に明らかにした。

 その人物がAFPに話したところによると、「マイアミが第一候補だが、まだ話はまとまっていない」という。

 イングランド代表で主将も務めたベッカム氏は、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、レアル・マドリード(Real Madrid)を経てMLSのロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)に加入。チームを2度のMLSカップ制覇に導き、その後パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を最後に2013年5月、現役を引退した。

 元所属チームのロサンゼルス・ギャラクシーと結んだ契約には、今年12月まではMLSのチームを割引価格で購入できるというオプションがあり、マイアミを本拠地の第一候補に、ベッカム氏は新チームの設立を考えていると以前から示唆していた。

 同氏は6月、米NFLのマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)の本拠地であるサンライフスタジアム(Sun Life Stadium)、フロリダ国際大学(Florida International UniversityFIU)のスタジアムなど、マイアミ地区の複数のスタジアムを視察に訪れている。

 またベッカム氏は、マイアミ・デイド(Miami Dade)郡のカルロス・ヒメネス(Carlos Gimenez)郡長と面会し、さらにマイアミに拠点を置く米無線通信企業、ブライトスター(BrightStar Communications) 社のマルセロ・クロアー(Marcelo Claure)会長とも意見を交換した。

 クロアー氏は2009年にマイアミからMLS参入を試み、失敗に終わっているが、今回もベッカム氏が設立する新チームの共同出資者に名乗り出る可能性がある。

 地元紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)の10月の報道によれば、ベッカム氏とクロアー氏は協力してことにあたっており、交渉は「進展してはいるものの、まだ決着はついていない」状況だという。

 ベッカム氏出資のチームがマイアミに設立されるとのうわさが広がり、騒ぎが大きくなる中で、ヒメネス郡長は29日に声明を発表し、次のように述べた。

「デビッド・ベッカム氏がMLSの新チームの本拠地にマイアミを選んだとのことだが、現時点で我々のところに公式通知は届いていない。とはいえ、私もフロリダ南部に多くいるサッカーファンの1人として、MLSのチームをマイアミで受け入れる準備はできているし、そうなることを心待ちにしている」

 マイアミにはもともと、マイアミ・フュージョン(Miami Fusion)というMLSのチームがあったが、設立から4シーズン後に活動を停止した。

 MLSには現在19チームが参加しており、2015年からは20チーム目となるニューヨーク・シティFC(New York City FCNYCFC)が参入する予定となっている。

 同クラブにはイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)と米大リーグ(MLB)のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)が共同で出資している。(c)AFP