ロシアで同性愛者のスポーツ大会「ゲイ・ゲームズ」開催へ
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【10月30日 AFP】ロシアの同性愛団体が、2014年ソチ冬季五輪の閉幕後にモスクワ(Moscow)で開催を予定している性的少数者によるスポーツ大会「ゲイ・ゲームズ(Gay Games)」への協力を世界中のアスリートに呼びかけた。
「ロシアLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー) スポーツ連盟(Russian LGBT Sport Federation)」のビクトル・ロマノフ(Victor Romanov)会長の発表によると、大会はロシアのアマチュア選手を対象としており、ソチ冬季五輪の閉会式が終わった直後の2月中に開幕する。
ロマノフ会長は28日、AFPの取材に応じ、「2月26日に大会をスタートします。この日程だと大会に賛同して参加しようと考えるスポーツ選手、関係者、記者がソチ(Sochi)からモスクワに移動するのに都合がいいでしょう」とコメントした。
「スポーツ関係者や有名人などにご支援いただけたらありがたいと思っています」
同連盟はソチ冬季五輪の閉会式の3日後、26日から3月2日にかけてこのオープン大会を開催する。
開催意義についてロマノフ会長は、今年6月にウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が署名して成立した「同性愛プロパガンダ」禁止法に抵触するものではないと主張した。
「私たちのやることは、法が禁じる行為に該当するものではありません。なぜなら私たちが奨励しようとしているのは同性愛ではなく、スポーツや健康的なライフスタイルだからです。法律違反ではありません」
そうは言ったものの、大会を開催することは同国で同性愛を排除しようとする風潮に対する反動でもあると同会長は語る。
「私たちは今、とても難しい時期に直面していることをよく理解しており、傍観するわけにはいきません」
ゲイの人権を訴える抗議活動と違って、スポーツ大会開催にあたっては当局の許可を取る必要はない。同連盟は主催者として会場を借りて非公開に行い、参加者全員に大会用の通行証を配布するという。
ロマノフ会長が明かしたところによると、すでにソチ冬季五輪に出場予定の女子選手の1人が同連盟への協力を買って出ているという。
しかし、ロシアの出場選手は「公にLGBT団体をサポートすることを禁じられている」ともロマノフ氏は述べた。
「われわれは、勇気があって政府に依存しない人たちに頼るしかないのです」
プーチン大統領は28日、「彼らの人種や性的指向が何であろうと、アスリートやファン、観客たちが快適に五輪で過ごせるよう、できる限りを尽くす」と約束した。(c)AFP