【10月30日 AFP】フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は29日、北アフリカを中心に活動するイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」によって2010年に拉致された人質4人が解放されたと発表した。

 スロバキアの首都ブラチスラバ(Bratislava)を訪問中のオランド氏は、「朗報がある。つい先ほどニジェール大統領から、サヘル(Sahel)地域のアルリット(Arlit)で人質になっていた仏人4人が解放されたと聞いた」と述べた。

 人質となっていたのは、ティエリ・ドル(Thierry Dol)さん、ダニエル・ラリブ(Daniel Larribe)さん、ピエール・ルグラン(Pierre Legrand)さん、マルク・フェレ(Marc Feret)さんの4人。フランスの原子力大手アレバ(Areva)に在職中の2010年9月16日、アルリットのウラン加工施設で拉致された。オランド氏に近い筋によると、4人の健康状態は良好だという。

 仏外務省によると、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相とジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)国防相が、4人を迎えるためニジェールの首都ニアメー(Niamey)入りしたという。解放についての詳細は明らかになっていないが、ルドリアン国防相によると、武力の行使も身代金の支払いもなかったという。またファビウス外相はAFPの取材に対し、4人がマリで解放されたことを明らかにしている。同外務省筋の話では、4人はすでにニアメーの空港に到着しており、30日にフランスに到着する予定だという。

 4人と同時に拉致されていた、ラリブさんの妻とトーゴ人1人、マダガスカル人1人の3人は、2011年2月に解放されていた。AQIMは、残る人質については最低でも9000万ユーロ(約120億円)の身代金を支払わなければ解放しないと主張していた。

 AQIMは今年9月、今回解放された4人を含む人質7人を写したとされる映像を公開。映像には2011年11月にマリ北部のトンブクトゥ(Timbuktu)で拉致されたオランダ人、スウェーデン人、南アフリカ人の姿も記録されていたが、3人の消息については不明のままとなっている。(c)AFP/Boureima HAMA