オランダ美術館、ナチス略奪品を多数所蔵か 来歴調査で判明
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【10月30日 AFP】オランダ美術館協会(Netherlands Museum Association)は29日、国内の美術館が所蔵している作品の来歴を調査した結果、マチス(Matisse)やカンディンスキー(Kandinsky)の名画など139点に、第2次世界大戦中にナチス・ドイツ(Nazi)がユダヤ人などから略奪したものである可能性があることが分かった、と発表した。
同協会は、オランダ国内にある162の美術館が1933~1945年に入手した作品を対象に調査を実施。結果、対象となった美術館の約4分の1が、「来歴に問題があり得る作品」を所蔵していることが分かったという。
略奪品が疑われる作品の内訳は、絵画69点、彫刻2点、装飾美術品31点、ユダヤ教の宗教関連の物品13点、素描24点。首都アムステルダム(Amsterdam)最大の現代美術館「アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum)」では、マチスやカンディンスキーの作品など16点に略奪品の疑いがあるとされた。
61点については元の所有者が確認できているため、協会側は返還の申請があれば応じる考え。「可能ならば、美術館側から元の所有者の親戚または相続人に連絡を取る」とウェブサイト上で述べている。
ナチス・ドイツは第2次大戦の前から戦時中にかけ、国内や欧州各国で大規模な美術品略奪を行い、ユダヤ人から大量の作品を没収したり、不当な低価格での売却を強要したりしていた。AFP/Charles ONIANS