【10月30日 AFP】トルコで29日、2つの大陸を結ぶ世界初の海底トンネルが正式に開通した。大陸間トンネルの構想は150年前のトルコ皇帝が描いたもので、イスラム勢力主導の現政権が、総工費30億ユーロ(約4050億円)を掛けて実現させた。

 同国最大の都市イスタンブール(Istanbul)をヨーロッパ大陸側とアジア大陸側に隔てるボスポラス(Bosphorus)海峡を横断する同トンネルは、全長13.6キロ。一部は沈埋トンネルとなっており、トルコ当局によると、同種のトンネルとしては世界一深い海底下60メートルに埋められている。

 開通式典は、トルコ共和国建国90周年にあたる29日に行われた。トンネルは「マルマライ(Marmaray)計画」の一環で、同計画には現存の郊外鉄道網を拡張して2大陸間をつなぐ全長76キロの鉄道建設計画も含まれている。

 大陸間トンネルの構想は、1860年にオスマン帝国の皇帝アブデュルメジト1世(Abdoul Medjid)によって最初に提唱されたが、当時の技術では実現は不可能だった。2004年になって元イスタンブール市長のレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相がこの構想を復活させた。一方で、同首相が推し進める大規模な再開発計画は、6月に同国全土で発生した大規模な反政府デモの原因の一つともなった。(c)AFP