タイ前首相を殺人罪で起訴、2010年の「赤シャツ隊」デモの弾圧で
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【10月29日 AFP】タイの検察当局は、2010年に反政府デモの弾圧で死者が出たことをめぐり、アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)前首相とステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)前副首相を殺人罪で起訴することを決めた。当局者が28日、述べた。
2010年、「赤シャツ隊」と呼ばれるタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の支持者らを中心にバンコク(Bangkok)中心街で大規模な抗議デモが行われ、デモ隊と治安部隊が繰り返し衝突した。治安部隊は実弾を発砲し、約90人が死亡、1900人近くが負傷した。現在は野党民主党の党首を務めるアピシット前首相と当時のステープ前副首相は治安部隊に首都の一部地域の制圧を命じ、銃器の使用を許可したとされている。
与党タクシン派は現在、国外に逃亡したタクシン元首相の帰国を実現するために、恩赦を与える法案を成立させようとしており、野党からはアピシット前首相の起訴は法案を支持させるための圧力だと批判の声が上がっている。民主党は恩赦法案に反対している。
だが、検察当局は起訴と恩赦法案の間に関連性はないと否定し、「政治介入はない」と述べた。今後は、起訴状が刑事裁判所に提出され、裁判所が裁判を行うかどうかを判断することになる。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI