【10月29日 AFP】北京(Beijing)の天安門(Tiananmen)広場で28日に5人が死亡した自動車炎上事件について、29日の報道などによると、中国の警察当局は新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)出身の2人を容疑者と特定した。

 28日、北京で最も有名かつ当局が最も神経をとがらせている天安門広場で、スポーツ用多目的車(SUV)が群衆に突っ込み、炎上した。

 中国国営紙・環球時報(Global Times)によると、28日の「大事件」に関連して市内ホテルに配布された指名手配書では、新疆ウイグル自治区出身の容疑者2人と車両4台のナンバープレートが特定されているという。また警察は各ホテルに「不審な」宿泊客や車両に注意するよう指示した。

 一方、同紙中国語版には新疆ウイグル自治区についての言及はなかった。

 ウェブサイト「Uighurbiz.net」によると、少数民族ウイグルを代表する知識人の1人、イリハム・トフティ(Ilham Tohti)氏は事件を受け、断定できる証拠がない限りウイグル人によるテロ行為といった表現をすべきではないと述べ、この事件がウイグル人に汚名を着せるために利用されたり、自治区に対する政府の実効支配強化のために用いられることに注意を促した。(c)AFP/Carol HUANG