ヘビを探知する特殊機能、サルの脳内に発見 米研究
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【10月29日 AFP】ヘビはなぜ見る者に恐怖心を与えるのか──これまで明確な答えを得ることができず謎とされてきたこの問いについて、28日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された研究論文は、ヘビを見ると即座に警告を発する特殊な細胞が脳内にあるとしている。
米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)のリン・イスベル(Lynne Isbell)教授(人類学)が率いた研究チームによると、ある特定の神経細胞は「選択的に」ヘビのイメージに反応するとし、顔や手、幾何学模様といった他のイメージに反応する同種の神経細胞に比べてより強い反応を示したという。
実験では、脳内の視覚による注意喚起および威嚇イメージに対する瞬時の処理をつかさどる視床枕という部分に微小電極が埋め込まれた2匹の若いサルが使われた。2匹には、コンピュータースクリーンに映し出されるさまざまな色や形を見せた。この中には、複数の「異なった態勢」のヘビのイメージの他に、威嚇するサルの顔や手、さらには星や四角形などの単純な形などが含まれた。
実験の結果、ヘビのイメージを見たサルの脳は即座に恐怖の反応を示した。また顔や手、形に対して示した反応とは比較にならないほど早かった。
イメージを見たサルの脳内では、約100個の神経細胞が反応を示した。その内の40%はヘビに対して最大の反応を示し、また約29%は顔に対する反応が強かった。
研究論文は、ジャングルなどの生活環境でのヘビの脅威に対応するために霊長類が鋭い視覚を持つように進化したとの考えを新たに裏付けるものとなった。(c)AFP/Kerry SHERIDAN