リビア中銀の現金輸送車襲われる 53億円強奪
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【10月29日 AFP】リビアで28日、中央銀行の現金輸送車が武装集団に襲われ、約53億円相当の現金が強奪された。2011年に最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁体制が崩壊した後のリビアで、増長する無法状態を象徴する事件の一例となった。
国営LANA通信によると、首都トリポリ(Tripoli)を出発し、同市の東500キロにある中部シルト(Sirte)の支店に向かっていた中央銀行の現金輸送車が、重武装した10人の男らに襲われた。男らは現金を奪って逃走したという。
また、LANA通信は中銀筋の話として、奪われた現金は5300万リビア・ディナール(約41億円)と米ドルとユーロ合わせて1200万ドル(約12億円)相当と伝えた。
LANA通信によると、輸送車が襲撃されたのはシルトの空港と市内を結ぶ路上。死傷者の有無については報じられていない。
当時、現金輸送車を護衛していた車は1台だけで、警備員だけでは10人の武装グループに太刀打ちできなかったという。
その後の体制崩壊につながる市民デモが始まった2011年初頭、カダフィ大佐は数万人もの受刑者を釈放しているが、その多くは犯罪グループを組織し、カダフィ大佐の失脚後に旧政権の武器庫から略奪された大量の武器を用いて犯罪行為を働いている。(c)AFP/Imed LAMLOUM