【10月28日 AFP】フェイスブック(Facebook) が日々のニュースを得る主要な手段になっていることが、24日に発表された米独立系世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)らの調べで分かった。

 同センターとナイト財団(Knight Foundation)の共同で行われた調査では、フェイスブックのユーザー3268人を含む米国の成人5173人に、今年8月21日から9月2日にインタビューが行われた。

 調査によれば、米国の成人の64%がフェイスブックを使用しており、このうち半数近くがそこから何らかのニュースを得ているという。つまり、米国民の30%が「フェイスブック・ニュースの視聴者だ」と、同センターは述べている。

■「ついで」が重要

 もっとも、こうした人たちの78%は。友人の近況を知るためとか、写真を共有するためなどの理由でフェイスブックを開き、そこからニュースを目にしている。「人々は個人的な瞬間を共有するためにフェイスブックを開き、そのついでにそこでニュースを見つける。偶然見つけるという特性が、ニュースソースおよび情報源としてのフェイスブックのニュースの重要性を増しているのかもしれない。とくに普段からニュースを積極的に見ない人たちにとっては、そう言えるだろう」と、ピュー・リサーチ・センターのジャーナリズム・リサーチの責任者であるエイミー・ミッチェル(Amy Mitchell)氏は言う。

 実際、普段からニュースを積極的に追っている人たちは、フェイスブックを時事問題などの主要な情報源とはみなしていない。ニュースを「いつも」あるいは「たいてい」追っている人たちで、フェイスブックがニュースを得る重要な手段だと答えたのは、38%だった。しかし、ニュースを「時々」しかまたはほとんど追わない人たちでは、この数字が47%に上昇した。

 フェイスブック・ニュース視聴者の3分の1を18歳から29歳の年齢層が占める。こうした若い成人層はフェイスブックでニュース速報を見たり、フェイスブックを重要なニュース源だとみなしている。

■ニュースの伝え方に有用

 さらに調査によれば、フェイスブックは、友人が共有したリンクを介して、本来なら「そのニュースを見ないであろう人々にもニュースを届けている」という。

 ナイト財団のマユール・パテル(Mayur Patel)氏は、「この調査は、ニュースが共有され視聴される過程をソーシャルメディアが変えているその様子を理解するのに役立つ」と述べ、さらに、「報道機関への影響は計り知れない。彼らは入手したデータを基に、ニュースを伝えたいと思う人々の好みなどを知ることができるのだから」と語った。

 フェイスブック・ニュース視聴者の約3分の2が、少なくともニュースリンクをクリックすると答え、60%が視聴したニュースに対し「いいね」をクリックあるいはコメントを書き込むという。また10人に4人が自らリンクを貼ったりシェアしたことがあり、32%が何らかのニュースについてフェイスブック上で他の人たちと議論を交わしたことがあるという。

 フェイスブックのユーザーがニュースを最もクリックするのは、そのトピックに興味があるから、あるいは友人の勧めである場合だ。また、20%はその報道機関によってクリックするという。またユーザーの3分の1が、報道機関または個人の記者をフィード登録していることも、ピュー・リサーチ・センターの調査でわかった。

 今回の調査では、フェイスブックのユーザーが違うニュース源を見ていることも分かった。フェイスブック・ニュース視聴者の42%がローカルテレビのニュース番組も視聴していた。米国の成人全体だと、この数字は46%だ。新聞については、米国の成人が27%に対し、フェイスブックのユーザーは21%だった。(c)AFP/Rob Lever