豪州辺境に「ロストワールド」、探検隊が新種3種を発見
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【10月28日 AFP】オーストラリア北部の普段は人間が立ち入らない地域で行われた調査で、脊椎動物の新種3種が発見された。現地で調査にあたった科学者らは28日、この数百万年にわたって外界から隔離されていた地域を「ロストワールド」と称した。
今年の調査で新種が発見されたのは、ヨーク岬半島(Cape York Peninsula)のメルビル岬(Cape Melville)高所にある岩場。豪ジェームズクック大学(James Cook University)のコンラッド・ホスキン(Conrad Hoskin)氏とナショナルジオグラフィック(National Geographic)の撮影隊は、そこで発見したものに驚いた。
見つかったものの中には、葉っぱのような尻尾を持つ、奇妙な姿をしたリーフテールゲッコーと呼ばれるヤモリや、金色のトカゲ、岩場に生息するカエルなど、これまで発見されていない種が含まれていた。「メルビル岬の頂上はロストワールドだ」と探検隊のホスキン氏は語った。
この地域は、自動車や住宅ほどの大きさのある黒い花こう岩が、数百メートルの高さに積み上がってできている。これまで、ふもと周辺の調査は行われたことがあったが、高所に広がる熱帯雨林と岩場の台地は、巨大な岩の壁が立ちはだかり、ほとんど調査されたことがなかった。
■新種3種、ヤモリとトカゲとカエル
注目の発見は、体長20センチメートルほどの「原始的な姿をした」リーフテールゲッコーだ。オーストラリア全域が熱帯雨林だったころの太古の面影を残している。大きな目と長細い胴体を持つケープメルビル・リーフテールゲッコー(Cape Melville Leaf-tailed Gecko)は、近縁種と非常に異なる特徴を備えており、学名は「Saltuarius eximius」と命名された。この発見は、科学誌「Zootaxa」の最新号に掲載されている。
ケープメルビル・シェードスキンク(Cape Melville Shade Skink)も、この岩場の台地に広がる熱帯雨林にのみ生息する種。南部の熱帯雨林に生息する近縁種とは大きく異なる特徴を備えていた。
また、ブロッチ・ボルダーフロッグ(Blotched Boulder-frog)も発見された。乾期には台地の岩場の奥深く、冷温多湿な場所に身を潜めているこのカエルは、繁殖期にあたる夏の雨期に表に出てくる。(c)AFP