【10月28日 AFP】米政府は27日、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相に対する電話盗聴について、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が直々に知らされていたとの報道を否定した。

 独メディアはこれに先立ち、メルケル氏の電話盗聴が2002年から行われていた可能性があると報じていう。米国が世界各国の指導者や一般市民を対象にしたスパイ活動を行っていたとの疑惑をめぐって、欧州諸国の間では反感が高まっている。

 独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)は米情報当局筋の話として、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)のキース・アレグザンダー(Keith Alexander)局長が2010年、メルケル氏の盗聴についてオバマ大統領に状況報告していた、と報じた。 さらにNSA高官の話として、「オバマ大統領は作戦を中止させず、むしろ続けさせた」とも伝えている。

 また独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、メルケル氏の電話が2002年以降のスパイ対象リストに載っており、オバマ大統領の6月のベルリン訪問の数週間前にも監視下に置かれていたことが、流出したNSAの内部文書に示されている、と報じている。

 一方、NSAの報道官は、オバマ米大統領がメルケル独首相の電話の盗聴を直々に知らされていたとの報道を全面的に否定。「(NSAのアレグザンダー局長は)メルケル独首相が関わる対外情報活動について2010年にオバマ大統領と話し合ったこと事実はなく、過去にメルケル首相が関わる活動を話し合ったこともない」と述べ、「これとは異なる報道は真実ではない」と語った。(c)AFP