【10月28日 AFP】13F1第16戦インドGP(India Grand Prix 2013)で総合4連覇を達成したレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は27日、レース後にドーナツターンを披露したことなどを理由に戒告処分を受け、チームは2万5000ユーロ(約340万円)の罰金が科せられた。

 レースを制して総合4連覇を確定させたベッテルは、オフィシャルの指示に従わず、グランドスタンド前でタイヤスモークを上げながら何度もターンを見せた。

 そしてベッテルはレッドブルのマシンに立って観衆の声援に応えた後、今度はマシンの前でひざまずき、礼拝するような仕草を見せた。

 ビデオで映像を確認したレーススチュワードは、ベッテルとチーム関係者を呼び出して処分を言い渡したが、特別な事情に配慮したことを明らかにしている。

「ドライバーは国際自動車連盟(International Automobile FederationFIA)のF1スポーティングレギュレーションの第43.3条に規定されているようにサーキットから直接パルクフェルメに向かわなければならない。

 ベッテルは1位でゴールし総合4連覇を決めた後、オフィシャルの指示に従わずグランドスタンド前でタイヤスモークを上げながら何度もターンを見せた後、レッドブルのマシンの上に立ち観衆の大歓声に応え、愛機の前ににひざまずいた。

 レーススチュワードがベッテルとチームオフィシャルを呼びビデオテープを確認した後、ベッテルの特別な事情を考慮した上で処分を言い渡したとしている。

 国際自動車連盟(International Automobile FederationFIA)は声明で、「F1競技規約の第43.3条に規定されているように、ドライバーはサーキットから直接パルクフェルメに向かわなければならない」と説明している。

「特別な事情を考慮し、ドライバーの説明は受け入れた。チームはドライバーに直接パルクフェルメに戻るよう指示することを怠った」

 しかし、そのあとのベッテルのコメントは、事情聴取で明らかにされた事とは矛盾しているように思えるものだった。

「レース前にドーナツターンの事は考えていなかった。それはたまたまだったんだ」

「エンジニアはレース後に通常の手順を指示してきたけれど、僕は『今は違う』と答えた。たくさんのファンがグランドスタンドにいたから、あれをやるしかなかった」

 9月に行われた第13戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2013)では、ベッテルの同僚マーク・ウェバー(Mark Webber)が、レース終了後のコースでフェラーリ(Ferrari)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のマシンの脇に乗り、ピットに戻ったことで処分を受けている。

 ウェバーが処罰を受けたのは今季3度目だったため、韓国GPでは予選順位から10グリッドの降格処分が科せられた。(c)AFP