【10月25日 AFP】カトリック教徒が大多数を占めるフィリピンで24日、公共の場所で一斉に授乳を行う母親の数で世界最多記録を目指すイベントが国内各地の会場で開催された。イベントは公共での授乳をタブー視する同国の風潮にも挑むものだ。

 イベントを企画したのは、公共での授乳の権利を擁護する団体、「ブレストフィーディング・フィリピン(Breastfeeding Philippines)」。同団体のディレクター、ノナ・アンダヤカスティーリョ(Nona Andaya-Castillo)氏はAFPの取材に対し「映画の中のセックスシーンで女性が胸を露わにしたり露出度の高い服を着ていても、観客たちは何も問題にしないのに、母親が胸をはだけて赤ちゃんに母乳を与えようとすると、多くの場合、人々は気持ち悪いと考る」と指摘する。

「私たちのメンバーも、授乳はトイレでやるようにと言われたことがある。このような考え方や態度は改めなければならない」

 同団体は、2007年にも同じ趣旨のイベントを開催し、1万5218人が参加してギネス世界記録(Guinness World Records)を樹立した。24日のイベントでは記録の更新を狙って、国内各地に設けられた約1000会場に母親たちが大勢駆けつけた。約2万1000人が参加したとみられるが、最終的な参加者数の確認には3週間ほどかかる見込みだという。(c)AFP