【10月25日 AFP】ギリシャ中部にある少数民族ロマの居住キャンプで見つかり、「金髪の天使」として各国のメディアの注目を集めている謎の少女マリアちゃんについて、ブルガリアの捜査当局は24日、実の親とみられるロマ人の夫婦を事情聴取した。

 地元メディアによると、少女の実の母親とみられる女性は、ブルガリア中部ニコラエボ(Nikolaevo)の町に住むサーシャ・ルセバ(Sasha Ruseva)さん(35)で、貧しさのあまり娘を手放したと話しているという。

 同国内務省が発表した声明によると、ルセバさんは警察に対し、数年前にギリシャで働いていた時に女の子を出産し、生後7か月で当時の雇い主に渡したと話した。

 事件を伝えるニュース映像を見たルセバさんは、自分が娘を引き渡したロマ人夫婦の姿が映っていることや、マリアちゃんが他の子供たちに似ていることに気付いたという。報道によると、ルセバさんには、8~10人の子どもがいる。

 ブルガリアの検察当局はこれまで、マリアちゃんの事件に関連し、2009年にギリシャで実子を売った疑いが持たれている「S.R.」のイニシャルを持つ女性に聞き取りを行っていることを明らかにしていた。

 だがルセバさんは、警察署前で記者らに対し、娘を置いてきた際に金銭のやりとりはなく、「無償でわが子を渡した」と述べた。またDNA検査で自分が実の母親であることが確認できれば、マリアちゃんを取り戻すつもりだとも話した。

 ルセバさんはこの際、2~3歳とみられる髪を赤色に染めた色白の女の子を連れていた。ブルガリアでの報道によると、ルセバさん夫妻の子供たちのうち5人は金髪で、マリアちゃんとよく似ているという。(c)AFP