【10月24日 AFP】イタリア・ナポリ(Naples)の地裁予審判事は23日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相を、他党の上院議員を自身が党首を務める政党に移籍させるために300万ユーロ(約4億円)を支払ったとして、買収の罪で起訴した。

 事件は上下両院の任期満了に伴う総選挙でロマーノ・プローディ(Romano Prodi)元首相率いる中道左派連合が小差で勝利した2006年にさかのぼる。選挙の数か月後、セルジオ・デグレゴリオ(Sergio De Gregorio)上院議員(当時)が、ベルルスコーニ氏率いる野党に移籍した。これが2008年のプローディ政権崩壊につながり、同年の上下両院の選挙でベルルスコーニ氏率いる政党連合が圧勝した。

 デグレゴリオ氏はナポリでの審問で司法取引に応じ、禁錮1年8月の刑を受け、捜査当局に協力している。

 デグレゴリオ氏に金を渡したとしてベルルスコーニ元首相に近かったバルテル・ラビトーラ(Valter Lavitola)氏も起訴された。ラビトーラ被告は2011年に初めて捜査対象になり南アフリカに逃亡したが、8か月後の2012年4月に帰国したところを空港で逮捕された。

 未成年買春や職権乱用、警察による盗聴内容の漏えい、脱税で既に有罪判決を受けているベルルスコーニ元首相は、票などの買収をしているとして反対勢力から何度も批判されてきたが、政治家を買収したとして正式に起訴されたのはこれが初めて。買収事件の捜査はデグレゴリオ氏の選挙区があったナポリの検察当局が担当し、公判も同地で、2014年2月11日に始まる予定。(c)AFP/Dario THUBURN