【10月23日 AFP】豪ニューサウスウェールズ(New South WalesNSW)州では23日も気温が高く、乾いた強風が吹いていることから新たな山火事が発生。1週間前に発生した山火事も鎮火の兆しを見せておらず、消防士らが火の手と闘い続けている。

 発生から7日目を迎えた同州の山火事では、これまでに少なくとも71か所で出火しており、うち29か所は現在も燃え続けている。このため周辺地域には再び火災警報が出されており、住民らには自宅から避難するか、残る場合にも警戒を怠らないよう呼び掛けが行われている。

 ニューサウスウェールズ州地方消防局(New South Wales Rural Fire Service)のシェーン・フィッツシモンズ(Shane Fitzsimmons)局長は、特にシドニー(Sydney)の西にあり、人気の観光地でもある人口約7万5000人のブルーマウンテンズ(Blue Mountains)地区について、「今日のような状況では、分単位の時間が非常に重要な意味を持つ」と改めて警告した。この地域では大規模な山火事が3か所で発生しており、数日にわたって燃え続けている。

 そのうちの1か所、スプリングウッド(Springwood)では先週、住宅100軒以上が焼失。警戒レベルは最も高い「非常事態」に引き上げられた。

 さらに、広大な同州では別の場所でも新たに火災が発生している。シドニー北部ニューカッスル(Newcastle)近くのミンミ(Minmi)では、シドニーとの間をつなぐ主要な幹線道路が閉鎖されて交通に混乱が生じていることから、すでに「非常事態」と見なされている。

 一方、シドニーの北西に位置するコロ(Colo)では火の勢いが強く、ヘリコプターを使った空中消火が行われたものの、強風により活動が難航している。

 州内ではこれまでに12万4000ヘクタール以上の土地と200軒以上の住宅が焼失した。しかし、周辺の住民は避難勧告に従って避難所や別の場所に移動するなどしていることから、死者は1人にとどまっている。(c)AFP/Amy COOPES