【10月22日 AFP】10代の若者が定期的に運動をすると学校での成績が上がり、特に女子では理科の成績が向上するという研究結果が22日、英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)」に発表された。

 身体活動が知力を向上させる可能性については、長年にわたって論じられてきたが、これまで科学的な証拠はほとんど存在しなかった。

 今回、エイボン縦断的研究(Avon Longitudinal Study of Parents and ChildrenALSPAC)などによる調査の中で、米国と英イングランド地方、スコットランド地方の科学者たちは、11歳の生徒約5000人に1週間、加速度計を装着してもらい身体活動を測定。さらにこの生徒たちの11歳、13歳、16歳の時点で英語と数学、理科の成績を評価した。

 すると11歳の時に身体的な活動が活発だった生徒ほど、どの時点でも、全対象学科の成績がまさっていた。16歳までの成績でみると、11歳時の運動時間が、男子では1日当たり17分間、女子では1日当たり12分間増えるごとに得点の向上がみられた。

 特に女子の理科ではこの効果が顕著だった。論文は「この発見は、特に理系科目の女子学生を増やそうという英政府や欧州委員会(European Commission)の昨今の方針を踏まえると重要だ」と指摘している。

 一方、11歳の生徒には、中等度から強度の運動(MVPA)を1日当たり約60分間行うよう推奨されているが、調査では男子の運動時間は1日平均29分間、女子は18分間で、推奨運動量を大きく下回っていた。

 研究チームは、運動と学業成績の関連性についてはさらなる研究が必要としながらも、今回の発見が公衆衛生と教育政策の両方に重要な意義をもたらす可能性があると述べている。(c)AFP