仏大統領、通話傍受めぐり米大統領に「深い遺憾」伝える
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【10月22日 AFP】フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は21日、米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)が仏国内で7000万件を超える市民の通話を傍受していたとの仏紙ルモンド(Le Monde)報道について、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に電話で「深い遺憾」の意を伝えた。
ルモンド紙の報道によると、NSAは2012年12月10日から13年1月8日にかけての約30日間にわたり、仏市民の通話約7030万件を傍受していた。根拠となった情報源は、米当局に訴追された米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が提供した米政府の機密文書だとされている。
仏大統領府が発表した声明によると、オランド大統領は電話会談で、こうしたスパイ行為は仏市民のプライバシーを侵害するものであると指摘、「友好同盟関係にある国の間では容認できない」と伝えたという。
さらにローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は訪問先のルクセンブルクで記者会見し、米国のチャールズ・リブキン(Charles Rivkin)駐仏大使を21日朝に仏外務省に呼び出したことを明かすとともに、「パートナー関係にあるフランスに対しプライバシーを侵害する行為が行われていたことは断固として受け入れられない」と言明。こうした監視行為が現在は行われていないことの確認を米国に求める意向を明らかにした。
この問題は、シリア問題協議をめぐるジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官のパリ(Paris)訪問にも影を落としている。
NSAをめぐっては20日、フランス同様に同盟国であるメキシコのフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)前大統領の電子メールをNSAが傍受していたと独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が報じたことから、メキシコ政府も米政府に抗議の意を示しており、米政府は新たな対応を迫られている。(c)AFP