【10月22日 AFP】ロシア南部で21日、多数の学生を乗せたバス内で爆発があり、6人が死亡、30人以上が負傷した。当局は武装勢力に関与する女が自爆したとみて捜査を進めており、冬季五輪開催まで4か月を切った同国の治安を危惧する声が上がっている。

 事件が発生したのは、首都モスクワ(Moscow)から南東に約900キロ離れたボルガ川(Volga River)沿いのボルゴグラード(Volgograd)市。治安の悪化が目立つ北カフカス(North Caucasus)地方を除けば、同国内で過去3年間のうち最多の死傷者を出した事件となった。

 ロシア捜査委員会(米連邦捜査局(FBI)に相当)は、テロリズムと殺人、銃器の不法使用の容疑で正式な捜査を開始したと発表。さらに声明で、「初期情報よると、ダゲスタン(Dagestan)出身のナイダ・アシヤロワ(Naida Asiyalova)容疑者(30)が自爆攻撃を行った」と述べている。ダゲスタンは、北カフカス地方の最も危険な地域の一つとされる。

 捜査委員会の関係者が匿名で地元メディアに語ったところによると、自爆犯は北カフカス地方の反体制武装勢力の司令官の妻とみられ、「最近イスラム教に改宗していた」という。

 当局によると、バスには乗客約40人が乗っていた。爆発は女が乗車した直後に発生し、幼い子ども1人含む33人が負傷、病院に運ばれた28人のうち8人の容体が「極めて重篤」という。(c)AFP/Marina LAPENKOVA-MAXIMOVA