【10月16日 AFP】イタリア・セリエA、インテル(Inter Milan)のマッシモ・モラッティ(Massimo Moratti)会長は15日、インドネシアの実業家エリック・トヒル(Erick Thohir)氏がクラブの株式の過半数を獲得したと発表した。

 モラッティ会長は、「われわれはトヒル氏と契約した。インテルの歴史は新たなシーズンを迎える」とコメントし、続けて「新たなパートナーの熱意と実利主義は、われわれの未来に対する保証だ」と語った。

 クラブは、トヒル氏と同氏が所有するインターナショナル・スポーツ・キャピタル(International Sports CapitalISC)グループが、インテルの株式の70パーセントを取得したと声明を発表した。

 インドネシアの富豪であるトヒル氏もコメントを発表し、自身が買ったのは「世界有数の権威あるクラブのひとつであり、私は起業家だが、何にも増してティフォーゾ(熱狂的なファンの一人)でありスポーツ愛好家だ。われわれの情熱と国際経験を、この素晴らしいクラブでの仕事に落とし込むべく意欲を燃やしている」と語った。

 トヒル氏へのクラブ売却のうわさは、インテルがリーグ戦で失意の9位に終わり、その結果欧州の舞台に上がる権利を逃した前シーズンから出回っていた。モラッティ会長と同氏は今年の5月と6月に面会したが、2度とも合意には至らなかった。

 インテルはセリエAで最後に欧州チャンピオンズリーグを制したクラブで、その2010年にはジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)元監督の下で3冠を達成したが、報道によれば、ライバルのACミラン(AC Milan)との共用である本拠地サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium) を離れたいという思いが非常に強いという。

 モラッティ会長はまた、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)らが乗り出しつつある成熟したアジアの市場で、クラブが主導権を握ることを強く願っている。

 43歳のトヒル氏は、マハカ・グループ(Mahaka Group)の創業者で、メディア産業やエンターテインメント産業で財を築いた。テレビ局、ラジオ局、紙とインターネット双方の新聞を所有し、スポーツ界ではすでに米メジャーリーグサッカー(MLS)のD.C.ユナイテッド(D.C. United)のオーナーでもある。

 1994年に父親からインテルを引き継いだモラッティ会長は、同職にとどまると見られ、本人も「まだ分からないが、自分次第だと考えている」とコメントした。(c)AFP