【10月15日 AFP】ブラジル政府は14日、政府の通信を米国などの盗聴から守るため、機密性を高めた電子メールシステムを11月から運用すると発表した。

 ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は13日、米当局がブラジルに対して大がかりな情報収取活動を行っているとの報道を受けて、新たなシステムの導入を発表していた。

■米国による通信傍受、スノーデン容疑者の資料で明らかに

 米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による個人情報収集活動を暴露して米国から訴追されたエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が提供した資料によると、米当局はブラジルに大がかりなスパイ活動を行っていた。

 ブラジル日刊紙グロボ(Globo)は、スノーデン容疑者からの資料を基に、NSAがルセフ大統領と側近との電話を盗聴していたと伝えた。さらに米国がブラジル石油公社(ペトロブラス、Petrobras)や一般市民の電子メールに関する情報も大量に収集していたと報じている。

 一連の報道を受け、ルセフ大統領は9月に予定されていた訪米を取りやめ、同月の国連(UN)総会の演説で米国による電子通信傍受を非難した。また米国の同盟国であるカナダも「経済的および戦略的な動機」でブラジルの鉱業・エネルギー省を標的にしているとして非難している。(c)AFP