【10月13日 AFP】米国で新年度暫定予算が期限までに成立しなかったために政府機関が一部閉鎖されている問題で、一部の州政府が世界的に有名な観光地の当面の運営費を負担することが決まり、「自由の女神(Statue of Liberty)」やグランドキャニオン(Grand Canyon)などがこの週末に再開することになった。

 11日の発表によると、エーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)ら歴代大統領4人の顔が彫られたラシュモア山(Mount Rushmore)や、ロッキーマウンテン国立公園(Rocky Mountain National Park)、ユタ(Utah)州にある連邦政府管轄の8か所もこの週末から再開する。

 一方で、同じく世界的に有名な場所でもヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)やカリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)湾にある「監獄島」のアルカトラズ島(Alcatraz Island)の閉鎖は解除されない。

 米内務省国立公園局(National Park Service)は、年間数百万人の観光客が訪れ、地元経済を潤している観光地の運営費を州政府が一時的に肩代わりすることで、ニューヨーク(New York)、アリゾナ(Arizona)、コロラド(Colorado)、ユタ、サウスダコタ(South Dakota)の各州政府と合意した。

 例えば、11日にニューヨーク州政府と合意した内容は、12日から17日までの6日間分の「自由の女神」の運営費を同州政府が負担するというもの。36万9300ドル(約3640万円)は州政府からの寄付だという。

 10月に入るとともに始まった政府機関の一部閉鎖の影響で、全米で連邦政府が管轄する400か所を超える観光地も閉鎖された。全米旅行産業協会(US Travel Association)によれば、政府閉鎖による観光業関連の1日当たりの損失は1億5200万ドル(約150億円)に上っており、一時帰休を強いられた国立公園職員約2万人を含む米国人45万人の就業に影響が出ているという。(c)AFP/Michael THURSTON