【10月12日 AFP】英赤十字社(British Red Cross)はこの冬、第2次世界大戦(World War II)後初めて英全土で食糧支援を実施する。金融危機とそれに続く緊縮財政策が貧困層に打撃を与えている現状を受けての決定だという。

 英紙インディペンデント(Independent)が11日に報じたところによると、英赤十字社のボランティアが各地のスーパーマーケットに出向き、買い物客らにパスタなどの乾物類や缶詰の寄付を呼びかける。集められた食料品は、英国の慈善団体フェアシェア(FareShare)とトラッセル・トラスト(Trussell Trust)を通じて生活困窮世帯に分配される。

 国際赤十字・赤新月運動(International Red Cross and Red Crescent Movement)の一翼を担う英赤十字社はこれまで、難民や2009年にイングランド(England)北部で発生した洪水被災者に食糧援助を実施してきたが、国内全域での食糧支援は1945年の終戦後初めてだという。赤十字によると、英国では現在約500万人が貧困の中で暮らしている。(c)AFP