【10月11日 AFP】インドの警察当局は10日、2012年ミス・ユニバース(Miss Universe)の米国人オリビア・カルポ(Olivia Culpo)さん(21)がインドの世界遺産タージマハル(Taj Mahal)廟(びょう)で無許可でブランド靴のファッション撮影を行ったとして、カルポさんと撮影チームに対し訴追手続きを取ったと発表した。タージマハル側は「無礼で侮辱的な行為だ」とカルポさんらを非難している。

 カルポさんは10日間の日程でインドを訪問中の6日、北部アグラ(Agra)にあるタージマハルを訪れた。オレンジがかったピンク色のロングドレス姿のカルポさんは、1992年に英国の故ダイアナ妃(当時、Princess Diana)が座ったことで有名な大理石のベンチに腰掛け、靴の撮影を行った。

 アグラの観光警察はAFPの取材に対し、苦情を受けて遺跡・文化財保護法の複数の条項に照らしてカルポさんと撮影チーム、同行していたインド出身のファッションデザイナー、Sanjana Jon氏に対する訴追手続きを取ったことを明らかにした。

 インド考古学調査研究所(Archaeological Survey of IndiaASI)アグラ支部のN・K・パトナック(N.K. Pathak)氏によると、タージマハルでのプロモーション活動や特定ブランドのキャンペーン実施には厳しい指針が設けられているが、カルポさんらは一切の事前許可なしに写真撮影を行ったという。ASI関係者がAFPに語ったところによれば、苦情の申し立てはASIを代表してタージマハル管理者が行ったという。

 カルポさんらには罰金が科せられる可能性がある。

 1648年に完成したタージマハルはムガル(Mughal)帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーン(Shah Jahan)が亡き王妃のために建てた白亜の「愛の廟」として有名な世界遺産で、内部では靴を脱がなければならない。ただ「ダイアナ妃のベンチ」のある霊廟前の庭園は靴のまま歩ける。(c)AFP