【10月11日 AFP】国際結婚が破たんした夫婦の一方が子供を祖国に連れ去るケースが数百件に及んでいる問題をめぐり、米下院外交委員会(House Foreign Affairs Committee)は10日、米政府に対し、現状を解決に導くため日本などの諸外国と法的合意を結ぶよう求める法案を可決した。

 同委員会は、1980年に採択された「ハーグ条約(Hague Convention)」に加盟していない全ての国々と了解覚書を締結することを米国務長官に要求する法案を可決。同条約は、連れ去った子供を普段生活している場所に帰すよう求めている。

 この法案は、連れ去りが報告されてから6週間以内に子供を元の国に連れ戻すための手続きを、各国との間に構築することを目指したもの。成立には、上下両院で可決される必要がある。

 米国では、日本人の親が子供を連れ帰るケースが最も多い。日本の裁判所は、たとえ日本人の母親が死亡した場合であっても、外国人の親に子供の養育権を与えることは事実上皆無だ。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、前首相と同様に、日本のハーグ条約加盟に対する支持を表明している。(c)AFP