【10月10日 AFP】政治では対立関係にある米国とイランだが、フォックス・スポーツ(FOX Sports)は8日、サッカーの両国代表チームが国際親善試合を行う可能性があると報じた。

 フォックスによると、米国とイランはどちらも2014年サッカーW杯ブラジル大会(World Cup 2014)の大陸予選を突破しており、親善試合は本大会前に開催される可能性があるという。

 フォックスはイランで報道されたニュースをソースとして挙げているが、米国代表の広報担当は否認している。

「私たちはW杯本大会出場を確定させた国のサッカー機関と積極的に連絡を取り合い、5月下旬か6月上旬に試合ができないかと持ちかけています。しかしまだ話し合いの段階で、試合の開催は決定していません」

 一方、イラン代表のゴールキーパーコーチを務める米国籍のダン・ギャスパー(Dan Gaspar)氏は、フォックスの取材にメールで応じ、両国とも親善試合には「純粋に興味を示している」とした。また、開催されるとしたら12月6日に行われるW杯の組み合わせ抽選会以降になるだろうという見解を示している。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とイランのハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)大統領は9月に電話会談を行い、1979年のイラン革命後に国交が途絶えて以来、初めて米・イラン両国首脳の接触を実現させた。

 国家同士の関係が緊迫する一方で、両国のスポーツ関係者が連携することはこれまでに何度かあり、最近ではレスリングを五輪の公式種目として残すため、米国とイランの関係者は協力体制を敷いた。

 サッカーにおいて、米国とイランはこれまで2度対戦している。1998年W杯フランス大会でイランは2-1で米国を破り、また2000年にカリフォルニア(California)州のパサデナ(Pasadena)行われた親善試合では1-1で引き分けた。(c)AFP