【10月10日 AFP】北極海の石油採掘に反対して公海上で抗議行動をした国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家30人全員を海賊行為の罪で起訴したロシア連邦捜査委員会は9日、抗議船内で薬物が発見されたため起訴された活動家のうち数人に新たに「他の重大犯罪」の嫌疑が掛かっていると発表した。

 グリーンピースは抗議船「アークティック・サンライズ(Arctic Sunrise)」に違法薬物が持ち運まれていたことを強く否定し、その嫌疑は「中傷」だと非難した。

 ロシア連邦捜査委員会によると、ロシア当局は拘束中のオランダ船籍のアークティック・サンライズで「麻酔性物質」を発見。さらに船上の設備の幾つかには「二重の用途」があり、「環境保護以外の目的にも使用された恐れがある」と付け加えた。

 捜査委員会はまた、「沿岸警備隊のモーターボートに意図的に体当たりし」生命と健康を危険に陥れた人物の特定作業中だと述べた。「数人が他の重大犯罪で起訴されることは、捜査上明白なことだ」

 捜査の中で押収された「麻酔性物質」は、「ポピーストロー(poppy straw、収穫して乾燥させ、種子の部分を除いたケシ)」とモルヒネだと捜査委員会は推定している。ポピーストローはアヘン生産に使われる。痛み止めのモルヒネは、ロシアでは保管方法について医療従事者に厳しい規則が定められている。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO