【10月9日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、今週のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と東アジア首脳会議(East Asia Summit)への出席を取りやめたことによってアジア地域における米国の地位が損なわれることはないとの見方を示した一方、自身の欠席は中国を喜ばせたかもしれないと認めた。

 オバマ大統領はこれまで、中国が台頭するアジア地域重視を米外交政策の最優先事項の1つとして位置づけてきた。だが、野党共和党との対立が引き起こした政府機関一部閉鎖を受け、アジア4か国歴訪を延期した。

 記者会見したオバマ大統領は、米国、そして米国と国際社会との関係にとって最重要の優先事項は、今月17日にも起きる恐れがあるデフォルト(債務不履行)の回避であることはアジア諸国も承知していると述べ、「従って、(アジア歴訪延期による)長期的な打撃があるとは考えていない」が、「(アジア歴訪には)行くべきだった」と語った。

 オバマ大統領は、それでも米国は「不可欠な国」だと主張し、「彼ら(アジア諸国)は他に行く場所があるわけではない。われわれ(米国)にアジアにいてほしい、われわれと協力したい、と考えている」として、アジア諸国は米国経済への称賛と安全保障で米国が果たしている役割への謝意をもって米国に引きつけられているという見方を示した。

 しかしオバマ大統領が米国内にいる間に、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、オバマ大統領が訪問するはずだったインドネシアとマレーシアを訪れ、それぞれの国と中国との2国間貿易と経済協力を数百億ドル(数兆円)規模で拡大させることを目指す協定を結んだ。(c)AFP/Shaun TANDON