【10月9日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島の沖合で昨年1月に座礁したクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」の船体から、行方不明者2人のうちの1人のものとみられる遺体が見つかった。市民保護局が8日、発表した。

 昨年1月13日に発生した座礁事故の現場からこれまでに30人の遺体が収容されたが、イタリア人女性客マリア・グラツィア・トレカリチ(Maria Grazia Trecarichi)さんとインド人ウエーターのラッセル・レベロ(Russel Rebello)さんの2人は現在も公式には行方不明とされている。市民保護局によると、コスタ・コンコルディアの第3ブリッジで見つかった遺体は、レベロさんのものである可能性があるという。

 船体の引き起こし作業が完了した9月下旬から行方不明者2人の捜索が行われていた。11万4500トンの同号の引き起こしは、同種の作業では史上最大のものとなった。

 イタリアの捜索チームは先月26日にも、船中心部付近で複数の骨を見つけており、行方不明者の遺体を見つけられるのではないかとの見方が出ていた。これらの骨は現在、身元特定のためのDNA検査などが実施されている。(c)AFP