【10月8日 AFP】米軍は7日までに、リビアで前週末に実施した軍事作戦で身柄を拘束した国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部のアブアナス・リビ(Abu Anas al-Libi)被告(49)に対する極秘の尋問を開始した。

 リビ被告は5日、リビアのトリポリ(Tripoli)で米特殊部隊に身柄を確保された。米高官によると、現在は「米軍がリビア国外の安全な場所で合法的に勾留している」という。

 1998年にケニアとタンザニアで起きた米大使館爆破事件に関与したとされるリビ被告は米連邦捜査局(FBI)の最重要指名手配者の一人で、500万ドル(約4億8000万円)の懸賞金がかけられていた。米政府関係者がAFPに明かしたところによると、同被告の身柄は現在、アフリカ東部沖の米艦船に置かれているという。

 一方、米国防総省は、リビアでの作戦と同日に米海軍特殊部隊「シールズ(SEALs)」がソマリア南部ブラバ(Barawe)で実施した軍事作戦は、イスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)の最高幹部アブドゥルカディル・モハメド・アブドゥルカディル(Abdulkadir Mohamed Abdulkadir)容疑者を標的にしたものだったと明かした。

 同容疑者はソマリア出身のケニア人で、「イクリマ(Ikrima)」の偽名でアルシャバーブ戦闘員として活動していた。アブドゥルカディル容疑者の生死は不明で、米国防総省は「イクリマの身柄確保には至らなかった」とのみ発表している。

 一部の米メディアの報道によると、米軍幹部らはアブドゥルカディル容疑者が作戦で死亡したとみているものの、死亡を確認する前に特殊部隊が引き上げたため確証がとれていないという。

 ケニアの首都ナイロビでは先月、67人が犠牲となったショッピングモール襲撃事件が発生し、アルシャバーブが犯行声明を出しているが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、アブドゥルカディル容疑者は同事件とは関連づけられてはいなく、軍事作戦は西側諸国を標的とした類似の事件を計画している恐れがあるために実施されたという。(c)AFP/Jo Biddle