シリア化学兵器査察は前例のない危険任務、潘事務総長
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【10月8日 AFP】国連(UN)の潘基文(Ban Ki-moon)事務総長は7日、シリアでの化学兵器廃棄作業には査察団100人が最長1年間現地に留まる必要があり、任務には前例のない危険が伴うとの見解を示した。
国連と化学兵器禁止機関(Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons、OPCW)は前月27日の安全保障理事会で採択された決議に基づき、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権が保有する化学兵器の廃棄を目指す査察団を共同で派遣している。
既に小規模の先遣隊がシリア入りし、化学兵器生産施設の破壊作業に着手しているが、AFPが入手した国連安全保障理事会(UN Security Council)宛ての報告書の中で潘事務総長は、査察団を100人前後に増員し、最長でシリアに1年間留まる必要がある、と勧告している。
さらに潘事務総長は、化学兵器は「取扱い、輸送、破壊の全てにおいて危険だ」と述べ、アサド政権軍と反体制派との戦闘が続く中で、サリンやマスタードガスなどの計1000トンに上る有毒化学物質を武器庫から別の場所へ運搬する際に、査察団員や市民がさらされる危険を強調している。(c)AFP