【10月8日 AFP】エジプト各地で7日、武装勢力の犯行とみられる襲撃事件が発生し、計9人の兵士と警察官が死亡した。同国では前日6日にもイスラム主義者らと警察の衝突で少なくとも51人が死亡しており、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の解任後、同国が取り戻しつつあるとみられた平穏への期待は、あえなく断ち切られた。

 同国内務省によると、シナイ半島(Sinai Peninsula)南部の地方警察本部付近で自動車爆弾が爆発、警察官3人が死亡した。またスエズ運河(Suez Canal)沿いのイスマイリア(Ismailiya)でも、武装グループにより兵士6人が射殺された。

 また治安当局者によると、首都カイロ(Cairo)近郊のギザ(Giza)では7日未明、ピラミッドのそばで正体不明の武装グループと兵士らによる銃撃戦が30分近く続いたという。この事件による死傷者は報告されていない。

 軍によるモルシ氏解任から3か月が経過する中、新たに発生した一連の暴力行為には、軍が樹立した暫定政府の前進を阻止する狙いがあるとみられる。アラブ湾岸諸国からの援助で経済復興を目指す暫定政府は、投資家や観光客の再誘致に尽力していたさなかだった。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH