【10月7日 AFP】国連(UN)によると、シリア政府は6日、化学兵器全廃に向けた初日の作業として、ミサイル弾頭や航空爆弾、化学物質混合設備の破壊を国際専門家チームの監督の下、開始した。

 国連と化学兵器禁止機関(Organisation for the Prohibition of Chemical WeaponsOPCW)が発表した声明によると、専門家チームは、シリア政府の要員が「切断トーチやアングルグラインダーを使って」これら兵器を破壊する作業を監督した。この作業には数日かかるとされている。

 また専門家チームは、シリア政府が提出した保有化学兵器についての情報の検証作業にも着手したという。

 同チームは、国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議に基づき、シリア国内数十か所に散らばる推定1000トンの神経ガス・サリン、マスタードガス、その他の禁止されている兵器を2014年半ばまでに廃棄するという困難な作業に直面している。

 廃棄作業の開始と時を同じくして、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は独ニュース誌「シュピーゲル(Spiegel)」とのインタビューで、シリアで続く内戦で政府が「間違い」を犯したことを認めた。一方で、化学兵器廃棄を求める国連決議のきっかけとなった8月21日の攻撃については、政府軍が化学兵器を使用したとの疑惑を改めて否定した。(c)AFP