【10月6日 AFP】イスラエルは4日、割礼に規制を求める欧州評議会(Council of Europe)の決議について、「人種差別主義的」で「反宗教的」と批判した。

 西欧や東欧の47か国で構成する欧州評議会は決議で、加盟国で儀式として割礼を行う際は、最新の医学的・衛生的条件を満たすよう求めた。また、広く行われている伝統的な割礼の一部では、子どもの利益や最新の医療技術が考慮されていないとして、こうした事態の打開するため医師と宗教指導者との間で対話が必要だとしている。

 ユダヤ教とイスラム教では男児に対し早い段階で割礼を行うことが多い。ユダヤ教はイスラエルの主要な宗教で、割礼は通常、専門の宗教関係者によって行われる。

 決議は1日、賛成77、反対19、棄権12で採択された。イスラエル外務省は、決議は「人種差別の傾向」を助長するものだと非難。「欧州評議会に決議の速やかな撤回を要求する」と述べ、「割礼が男児の健康と身体に悪影響を与えるとの主張は誤りで、科学的根拠に基づいていない」と指摘。「決議は欧州評議会に道徳的汚点を残し、欧州における憎悪と人種差別の傾向を助長するものだ」と批判した。(c)AFP