文芸小説読者は感情の読み取りが得意になる、米研究
このニュースをシェア
【10月4日 AFP】文芸小説を読む人は、大衆小説もしくはノンフィクションを読む人よりも他人の感情を読み取ることに優れているとする研究が3日、米科学誌で発表された。研究者らは、文芸小説の読者が他人の内なる感情を読み取ることにより優れているとの仮説を立て、これを証明する研究調査を行った。
調査では、参加ボランティアの一部に、最近文学賞を受賞した文芸小説もしくは短編からの抜粋を読ませ、その他のボランティアにはネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)でベストセラーになった大衆小説または米誌スミソニアン(Smithonian Magazine)のノンフィクションを読ませた。
ボランティアらはその後、5項目からなるテストを受け、他人の感情をどれだけ読み取れるかが調査された。テストでは、提示された顔写真を見て被写体の感情を読み取ることや、ある架空の人物がある特定の状況下ではどのように行動するかなどを答えた。
テストの結果、文芸小説の抜粋を読んだグループが最も良いスコアを獲得したという。
研究を主導した、ニューヨーク(New York)にあるニュースクール(New School)大学のデビッド・コマー・キッド(David Comer Kidd)氏(博士論文提出志願者)と心理学部のエマヌエル・カスタノ(Emanuele Castano)教授は、「現実世界と同様に、文芸小説にも複雑な内面を持ったキャラクターがあふれている。彼らの内面はそう簡単に見ることはできず、その真意の追求が続く」と3日の米科学誌サイエンス(Science)電子版で述べた。
研究者らは、この研究結果が受刑者の更生や自閉症患者のコミュニケーションを助けるのに役立つのではと述べている。(c)AFP