【10月3日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は2日、予算不成立により政府機関が一部閉鎖したことを受け、来週予定していたアジア2か国訪問を延期すると発表した。また、出席予定だった2つの首脳会議も出席を見送る可能性が出ている。

 オバマ氏は、米国が外交・軍事政策の強化を目指す東南アジア地域の主要国、フィリピンとマレーシアへの訪問延期を発表。太平洋地域に「軸足」を置くという同氏が掲げてきた方針に傷を付ける形になった。

 また、インドネシア・バリ(Bali)島で開催されるアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)とブルネイで開かれる東アジアサミット(East Asia SummitEAS)への出席へも暗雲が立ちこめている。両サミットでオバマ氏は、シリアやイラン、北朝鮮をめぐる諸問題の鍵を握るロシアや中国など主要国の首脳と会談する予定だ。

 オバマ氏は今回のアジア歴訪で、環太平洋連携協定(Trans-Pacific PartnershipTPP)の協議の進展を目指していた。

 歴訪の一部延期は、太平洋地域にとって不可欠な大国であるとの面目を保ちたい米国にとって痛手となる他、同地域に長期的に関与していくという米国の姿勢に対する無言の批判が、中国などの対立する国々から出る恐れもある。(c)AFP/Stephen COLLINSON