【10月2日 AFP】英国を拠点とする国際NGOオックスファム(Oxfam)は2日、米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)やペプシ(Pepsi)は、ブラジルやカンボジアで原料の砂糖を生産する業者らが土地を「強奪」する行為をやめさせる措置を講じなければならないとの見解を明らかにした。

 オックスファムは同日に発表した「甘いことなど何一つない──砂糖が引き起こす土地の強奪」と題した報告書で、アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(Associated British FoodsABF)は砂糖の国際的な取り引きによって産地となる各地で発生している土地をめぐる紛争問題を解決できずにいると指摘。

「世界最大の飲料メーカーであり砂糖の購入者でもあるこれら3社は多大な影響力を持つ一方で、自社の製品に使用している砂糖が貧しい地域から強奪された土地で生産されたものでないことを保証する取り組みをほとんど行っていない。これに取り組めば、業界を変えられるはずだ」としている。

 報告書には、ブラジル北東部ペルナンブコ(Pernambuco)州の漁村の例が挙げられている。1998年、住民らはコカ・コーラとペプシに砂糖を供給する工場によって不法に立ち退かされ、以後、土地と漁場へのアクセスの回復を求めて闘っている。

 また、カンボジア南部のある地区では、砂糖園まで続く道路を建設するために2006年に強制的に収用された土地を取り戻すため、200世帯が闘っている。この砂糖園は、コカ・コーラとペプシに砂糖を供給する小売業者に砂糖を卸していた英国の食品原料メーカー、テイト・アンド・ライル(Tate & Lyle)に砂糖を供給している。(c)AFP