性転換後の精神的苦痛で安楽死、ベルギー
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【10月2日 AFP】性転換手術に失敗した後に耐えがたい精神的な苦痛を訴えていたベルギーの男性が9月30日、安楽死により死亡した。国内メディアが1日に伝えた。
ナタン・フェルヘルスト(Nathan Verhelst)さん(44)はブリュッセル(Brussels)の病院で、友人に囲まれて最期の時を迎えた。オランダに次いで世界で2番目に安楽死を合法化したベルギーで、ナタンさんの件はこれまでも広く報道されていた。
安楽死に立ち会ったウィム・ディスルマン(Wim Distlemans)医師が日刊紙Het Laatste Nieuwに語ったところによると、ナタンさんは穏やかに最期を迎えた。医師は「ナタンさんが耐えがたい精神的苦痛を抱えていたことは明らかだった」と安楽死の理由を説明した。
ナタンさんの死の前夜にインタビューした同紙によると、ナタンさんは、3人の男の子がいた家庭の4人目の子「ナンシー」として生まれた。両親はもう1人男の子が欲しいと考えていたことから、女児のナタンさんを拒絶したという。ナタンさんは2009~12年に3度にわたって乳房切除や陰茎形成をする性転換手術を受けたが「私の乳房はまだ残っているし、ペニスは失敗だった」と語るなど、その結果には満足していなかった。
ベルギーでは2012年、同年に死亡した人の2%にあたり、前年より25%多い1432人が安楽死を選択した。安楽死には厳格な規則が定められており、患者に判断能力と意識があり「自発的に、熟慮の末、反復して」死ぬことを要望した場合にのみ認められている。(c)AFP