中国の子ども、9割近くがたばこのロゴを認識
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【10月3日 AFP】喫煙率が高いとされる6か国で、たばこに対する子どもたちの認知度について調査した結果、中国では10人中9人に近い割合で、子どもたちがたばこブランドのロゴを認識していることが明らかになった。30日、米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に発表された。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)によるとこの調査は、世界の中で喫煙率が上位のブラジル、インド、ナイジェリア、パキスタン、ロシア、中国の6か国で、5~6歳の子どもたち計2423人を対象に実施された。このうち、3分の2以上にあたる68%の子どもたちが、少なくとも1種類のたばこのロゴを認識していたという。また4分の1以上が2、3種類のブランドを、18%が4種類以上を知っていた。
この事実は、若年層向けのたばこ広告を禁止しようとする国際的な規制を、低所得および中所得国が順守していないのではないかという疑念を抱かせると研究者は述べている。
■喫煙者が家族にいなくても
論文の主著者である米メリーランド大学(University of Maryland)のディナ・ボルザコフスキー(Dina Borzekowski)教授はAFPの取材に答え、「驚かされたのは、家庭に喫煙者がいないのに、たばこのブランドをよく知っている子どもたちだ。調査によって分かったのは、子どもたちは地域コミュニティーや周囲の環境を通して情報を得ているということだ。彼らは店でたばこを見かけ、ポスターを目にしている。近所の店にキャンディーを買いに行った時に、さまざまなたばこのロゴを目にしているのだ」と説明した。
調査に際して研究者たちは子どもたちと一緒に、たばこをはじめ食料品や飲料品、車といった商品の写真とロゴを組み合わせるというゲームを行った。各国約400人ずつ選ばれた子どもたちにロゴを見せ、その商品のカードを選ばせた。たばこについては全員に、子どもたちの出身国のたばこだけではなく、マルボロ(Marlboro)やキャメル(Camel)といった国際的に有名なブランドのロゴを見せた。
その結果、もっとも認知率が高かったのは中国で、86%の子どもたちが少なくとも1つのたばこのブランドロゴを知っていた。平均すると中国の子どもたちは、たばこブランド8種のうち4種前後を知っていた。ボルザコフスキー氏は、これほど幼い子どもたちがたばこのロゴを認識しているのは驚くべきことだと述べる。
また、ブラジルでは59%の子どもがたばこブランドを認識しており、とりわけマルボロは16%の子どもたちが知っていた。
6か国中最も認知度が低かったのはロシアで、調査対象となった子どもたちの50%が最低1つのロゴを認識できたのみだった。
さらに子どもたちに対し、将来たばこを吸うつもりかどうかを質問すると、「吸う」と答えた率が最も高かったのはインドで、男女ともに30%の子どもたちが、大人になったら吸いたいと答えた。また中国、ナイジェリア、パキスタン、ロシアでは、男子が女子よりも将来たばこを吸うと答えた割合が高かった。
調査は各国の都市部と地方部から選ばれた地域で実施された。たばこの宣伝がより盛んで目につきやすい富裕層地域は外し、「普通の」子どもが対象となるように努めたという。しかし、対象国全土で行ったわけではないため、国全体の状況は正確に反映されていない可能性があると研究は補足している。
現在、WHOによる「たばこの規制に関する枠組条約(Framework Convention on Tobacco Control、FCTC)」には168か国が署名しており、子どもに対するたばこの宣伝・販促活動などの制限が課せられている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN