【9月30日 AFP】スウェーデン・ルンド大学(Lund University)の研究者らは27日、米国や欧州でハチの個体群を全滅させている病気からハチを守るための新薬を開発したと発表した。

 同大学の微生物学者らの研究チームは、「SymBeeotic」と名付けられたこの治療薬の特許を取得した。研究チームによると、健康なハチの腹部から採取した乳酸菌から作られるSymBeeoticは、ハチの免疫系を大幅に「向上」させるもので、現在のミツバチの死の進行速度を減速させる可能性があると期待しているという。

 SymBeeoticの開発者の1人、アレハンドラ・バスケス(Alejandra Vasquez)博士は「この製品に含まれる細菌は、アメリカ腐蛆(ふそ)病とヨーロッパ腐蛆病の両方に対して活性を持つ」とAFPに語った。腐蛆病は、ハチを脅かす致命的な細菌性の病気だ。「養蜂家が、抗生物質の代わりにこれを使うようになることを期待している」

 SymBeeoticの開発に10年近くを費やしてきた研究チームは、28日にロシアで開かれる養蜂家の年次会議でこの新薬を発表する予定だ。

 研究チームの1人、トビアス・オロフソン(Tobias Olofsson)博士は、抗生物質への耐性が高まる中で、SymBeeoticは「ハチ本来の免疫系を向上させる唯一の既存の製品」だと声明で述べている。

 世界中に生息するハチの免疫系を低下させ、病気にかかりやすくする要因の一部は、農薬、寄生虫、ストレス、栄養不足にあると考えられている。(c)AFP