【9月20日 AFP】米国は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)政権が突然崩壊した場合に備えて北朝鮮の国土を二分する境界線について中国と協議することを検討すべきだとの報告書を、米シンクタンク「ランド研究所(RAND Corporation)」が19日、発表した。

 報告書は、北朝鮮の全体主義体制が崩壊すれば、大規模な飢饉(ききん)が新たに発生する恐れや、数十万人の政治犯を拘束している同国で深刻な人権侵害が起きる可能性があると指摘。その場合には米国と同盟国である韓国が介入することは必至だが、そうなれば北朝鮮の主要同盟国である中国が警戒を強めるだろうと警告している。

 報告書によれば、中国にとっての関心事は北朝鮮難民の流入や米軍部隊の中朝国境への接近防止になるが、中国も北朝鮮に軍を派遣するとみられ、その場合には米韓両軍との一触即発の事態も起こり得るという。

「そのような事態を最小にとどめる最善策は、中国軍と(韓国軍)・米国軍との間に境界線を引くことだ」と、報告書は結論付けている。境界線は、中朝国境から50キロメートル地点から首都・平壌(Pyongyang)までの間に設置することが考えられるという。(c)AFP/Shaun TANDON