福島風刺の仏紙、「ユーモア感覚ない」と日本の批判を一蹴
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【9月13日 AFP】福島第1原発事故の問題を抱える日本が2020年夏季五輪の開催地に選出されたことを風刺する漫画を掲載し、日本側からの怒りを買っている仏週刊紙「カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)」は12日、「責任をもってこの風刺画を掲載した。いささかも良心に反するところはない」と述べ、日本人にはユーモアのセンスがないと嘆いた。
問題の漫画の一つは、損壊した原発の前の土俵で3本の腕や脚がある力士が向かい合い、その横でスポーツ解説者が「すごい、福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」とコメントしているもの。もう一つは、プールの前で防護服を着用し放射線測定器を手にした2人が、ウオータースポーツ会場は福島に建設済みだ、と話している。
これに反発した日本政府は、同紙に対して正式な抗議文書を送付すると表明している。
日本政府は、福島での事故と汚染水の問題は制御できており、五輪には影響しないと繰り返し強調してきた。日本はこれまでにも、海外メディアで報道される意見に対しては敏感な対応を示し、大きな惨劇をもたらした災害が風刺の対象となることに対して怒りをあらわにしてきた。
菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は記者会見で、「このような風刺画は、東日本大震災で被災した方々の気持ちを傷つける」と述べた上で、「汚染水問題について、誤った印象を与える不適切な報道」とも指摘、同紙に対し日本政府から正式に抗議する構えを明らかにした。
これに対し、同紙のルイマリ・オロー(Louis-Marie Horeau)編集長は、「われわれには悪意のないように思える風刺画」に対する日本からの反応に「ただただ困惑している」として、「ユーモアを表現しているからといって、被災者の皆さんを侮辱していることにはならない。ここ(フランス)では、悲劇に対してはユーモアを持って立ち向かうものだが、どうやら日本ではそうではないようだ」と語った。(c)AFP