【9月6日 AFP】肌の状態は非の打ち所なく、メークも完璧で髪もつややかなモデルたち。だが英国版「ヴォーグ(Vogue)」誌は、こうしたモデルたちに憧れる10代の女の子たちに向けて「これは現実とは違う」というメッセージを発した。

 同誌は、ファッション写真を作り上げる際に必要とされるさまざまなプロセス、つまりメーキャップアーティストやスタイリストチームの作業から、デジタル加工や照明といった仕事の様子を撮影したショートフィルムを制作した。

 自分の容姿に悩む子どもたちに、現実の世界では完璧な美貌など存在しないと知ってもらうために、この作品は今週、英国の学校に通う13歳の子どもたちに無料で配布される予定だ。

 英ヴォーグ編集部のアレキサンドラ・シュルマン(Alexandra Shulman)氏は、「ヴォーグのファッション写真はどのように作られるのか。最終的な作品を作り上げる技術と工夫を見せることは有益ではないかと考えた」と話す。

「ヴォーグのファッション写真における私たちの使命は、人々を触発し、楽しませると同時に、非常に才能のあるデザイナーたちが作り上げた服を紹介すること。写真は、現実を写し取っているのではなく、こうした意図に基づいて作り出されている」

 続けて彼女は「問題があるとすれば、人々が雑誌のモデルたちと自分を比較して、自分はダメだと感じてしまうことにある」と語った。

 モデルのジェイド・パーフィット(Jade Parfitt)がナレーターを務めるこの映画は、1か月続く一連のファッションショーの皮切りとなるニューヨーク・ファッション・ウイーク(New York Fashion Week)にあわせて公開された。(c)AFP